[2970] おかやま的ココロ! 2015/07/02 

 7月になりました。そしてそれは同時に、平成27年が半分終わったということでもあります。早いですね。これからの暑い季節を乗り切れるよう、体調管理には気を付けていきましょう。

 さて、皆さんは人のウソを見破るのは得意ですか? ウソをつくのがうまい人や下手な人、騙されやすい人など色々な人がいると思いますが、アメリカの心理学情報サイト
「Psychology Today」に掲載された、ウソを見破る方法というものを今回はご紹介したいと思います。

 例えば何か質問をしたとき、「それは」とか「それに関しては」という言葉がでてきたとします。それこそが嘘を見分けるポイントです。

 「それ、そんなこと」と何かを限定してきたら、「それ以外」の「これ、こんなこと」が確実にあるという証拠です。例えば誰かが「”そんなこと”はしていない」と言う時、その人は「そんなこと」ではない「こんなこと」が何であるかを知っているはずで、そこを確認することで嘘を暴くことができるというのです。

 この説明では何を言っているのかわからない人も多いですよね。ではその具体例が紹介されていたので見てみましょう。

ケース1:
ティミーの担任教師が電話をかけてきて、母親に「休み時間にティミーが同級生のヴィッキーのところに走っていって、彼女の髪の毛を引っ張ったため、ヴィッキーは倒れて頭に怪我をした」と報告した。

母:「先生から電話があって、休み時間にあなたがヴィッキーのところに走っていって、彼女の髪を引っ張ったから、ヴィッキーは倒れて頭に怪我をしたと言っていたわよ」
ティミー:「先生が嘘を言っているんだ。僕はそんなことはしてないよ」

ティミーは確かにヴィッキーの髪を引っ張り、その結果として彼女は倒れて頭に怪我をした。だが、ヴィッキーのところに「走っていった」のではなく、「歩いていった」。

 母親の説明の一部が事実と違っていたため、ティミーは「そんなことはしていない」と言うことで事実をごまかそうとした。しかし、「そんなこと」はしていないということは、それじゃない何かはしているということだ。母親は次に「そんなことはしていないというなら、じゃあ何をしたの?」と問いかけることで、息子から真実を引き出せるだろう。

ケース2:
〈米ABCの朝のニュース番組『グッド・モーニング・アメリカ』キャスターのダイアン・ソイヤーと、妻殺しの疑惑をかけられたスコット・ピーターソンのケース〉
映画『ゴーン・ガール』のモデルとなった、裕福で恵まれたスコット・ピーターソンとその妻レイシーの事件。妊娠8カ月のレイシーが失踪し、夫のスコットに殺害の嫌疑がかかった。スコットは、レイシーの無事の帰還を訴えるために、ソイヤーの番組に出演した。

ソイヤー:もう一度言いますが、視聴者は、あなたには他に好きな女性がいたから、妻と子どもという足手まといな存在を排除しようとした、あるいは何か単純に激しい対立があったと考えているわけです。
ピーターソン:それらのいずれも事実とは異なります。それだけのことです。

 「それらの」という限定詞を使ったことでピーターソンは実際にレイシーを殺しはしたものの、理由はソイヤーが提示した「それら」とは別にあったという事実を告白していると、この記事を書いたジョン・シェイファー博士は指摘する。

「それらは事実とは異なる」と言うからには事実である殺害の理由がほかにあるということになる。もしピーターソンが本当にレイシーを殺していなければ、「私はレイシーを殺してはいない」と言うはずで、「それらの理由ではない」とは言わないだろうからだ。

 レイシーとお腹の子どもはその後遺体で見つかり、ピーターソンは殺人罪で死刑判決を受けた。現時点でピーターソンは死刑囚監房に収監されているが、無実を訴えて控訴中である。

 いかがでしょうか。具体例を見ると「なるほど、そういうことか」と理解できます。しかし今回の方法はあくまでも「それ、これ」といった限定的な言葉に着目したものなので全てのウソが見破れるわけではないでしょうね。

 しかし、もしかすると振り込め詐欺の電話などで使えるかもしれませんね。「それ、これ」という言葉が出たら要注意です。こういう知識を頭の片隅に置いておくと、意外と役に立つかもしれません。それではまた。

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