何度も、何度も繰り返すように、今は「部屋余り」の状態です。
賃貸物件を探す人の数よりも、空室の方が割合として多くなってきているのが現在の賃貸事情です。

お客様に数多くある物件の中からあなたの物件を選らんでもらうには、これまで書いてきたように他物件との競争に勝たなくてはなりません。

今は経済状況がこのような状態なので、すでに「勝ち組物件」のための行動を始めているオーナー様もたくさんいらっしゃいます。

しかし、なかなかすぐに実行に移せるものばかりではありませんよね。
そこで、今一番空室対策の中で手っ取り早くできることがあります。

それが「退去者を減らすこと」なのです。


大切なのは考え方


過去には、

オーナー様 「部屋に住まわせてやる」
借主様    「部屋を貸して下さい」

といった権力関係の構図ができていました。

しかし今は部屋が余っている状態。

オーナー様 「部屋に住んで下さい」
借主様    「この部屋にします」


これが現在の権力関係の構図です。


過去の考え方に依存してしまっていると、退去者が出たあと必ずと言っていいほど次の入居者が決まりません。

それはなぜか。

オーナー様には感じにくいのかもしれませんが、私たち仲介業者はオーナー様・借主様の両方にとって気持ちよく契約できるように努力しています。借主様には不動産の知識がない方がほとんどで、そのために後々のトラブルになる例が後を絶ちません。
ですから、仲介業者としても、「お客さんには気持ちよく住んでもらいたい」という考えを持ったオーナー様の物件をご紹介したいんです。
お客様がもし困ったことがあれば私たちが相談に乗ります。
オーナー様が困っていることにも相談に乗ります。
厳しい経済情勢だからこそ、家賃を支払うお客様を大切に考えていきたいものです。

実際、常に入居者に気を配るオーナー様の物件は退去が少ないのです。


入居者に「安心」という付加価値を与える

昔と違い、今は近所づきあいが減ってきています。
賃貸物件ならなおさらですよね。

今や「隣の人も怖い」という時代です。

そこで、オーナー様が簡単にできる技があります。


@清掃はこまめに

物件の清掃や花壇などの手入れはできるだけこまめにしましょう。遠方になってしまうのであればアプローチで業務を請け負うこともできます。その時間に入居者と顔を合わせることもでき、「こんにちは」と声をかけているだけで入居者に安心感を与えることができるのです。
いつも住んでいる人以外誰もおらず、雑草が生えっぱなし、ゴミが落ちっぱなしでは、日当たりのいい部屋でも気分が良くありません。「この部屋は条件がよくないのかも」という考えを持たれてしまいかねません。

A季節感を出す

アプローチが毎週清掃を請け負っている単身者向けの物件があります。そこのオーナー様は、「住んでいる人に季節感を持ってほしいから」と、玄関部分に季節ごとにちょっとした飾りを付けています。
賃貸物件では(特に単身者向け)、ただ寝に帰っているだけ、という入居者もいます。部屋に大した愛着が湧くこともなく、大きな理由もないのに更新の時期に合わせて住替えてしまったりします。そこで、上記の清掃などに合わせて、このように季節感を出すことによって自然と建物全体の雰囲気がよくなり、退去を減らすことにもつながります。

Bお歳暮などを送る

ほとんどの借主様は、一度も自分が住んでいる部屋の大家さんと接触がないまま引っ越してしまいます。仲介業者が入居から退去まで全てを行い、また次のお客さんを連れてくる。これの繰り返しが多いと思います。
しかし、管理を任されていない物件に関しては、何か問題が発生した時ぐらいしか仲介業者でも接触はありません。部屋に愛着を持ってもらう為に、また、日頃家賃を支払ってくれているお客さんに感謝を込めてお歳暮を贈るオーナー様もいらっしゃいます。
これはかなりの効果があります。こういった物件ではほとんどトラブルが起こりません。
お客様から見ても、「あぁ、いつも入居者を気遣ってくれているな」と受け止めます。
年賀状や残暑見舞いなどもいいかもしれません。



こういった様々なことが、すぐにでも実行に移せる退去者を減らす為の技です。

退去する理由を消してあげること、もしくは「長く住んでいたい」と思ってもらえるような努力が必要なんです。