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[2612]死ぬまで生きる!(2012/04/05)
 独居老人の世帯が増えています。不動産を所有して暮らしている人もおられますが、賃貸に住んでいる方が本当に多いです。契約する時は50歳代でも20年経過して認知症を発症される方もおられます。

 不動産会社にはガス会社や電力会社から「この方は引越されましたか?」と電話が入るとドキッとします。家賃は自動引落や自動送金されているので、ご本人の生死が解らない時が多いのです。

 特に個人情報保護法が制定され、振り込め詐欺が多くなり、携帯電話が増えた為に「すぐに電話に出られない」ケースが多くなりました。当社は電話番号が表示されるように電話を掛けているのですが、不動産会社だと解ると電話に勘違いされて電話に出られない時や話を聞いて貰えない時もあります。

 これからの時代は「孤独死が多くなり発見までに長い時間が掛かるケースが増える」と考えられます。親と離れて暮らして年に数回しか連絡を取り合わないご家族も多いようです。

 知り合いの人で次のような経験をされた方がおられましたのでご紹介します。

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 警察から身元確認の連絡を受けました。仏様は13年ぶりに逢う、腹違いの兄でした。当時は一人っ子で育ったと思っていた私は大変なショックでした。母は一言も言わずに逝ってしまったのだから。

 担当の若い刑事さんから兄の遺留品が提示された。免許、通帳、携帯電話、wallet、そしてパスポートの非常の場合の連絡先に私の名前が書かれていた為、一番に連絡したとのこと。

 私の中ではとっくに記憶から消していた人なのに。どれだけ人に迷惑かけ続け、最後の最後まで母と私を苦しめば気が済むのか。

 財布の中身が一万五千円?、通帳は残高が少し。医療、生活援助の振り込み記載! 
 大家さんが家賃の滞納で、ご時世の色々な事情を加味して二ヶ月経った日、警察官立会のもと兄宅に入り孤独死しているのを発見したと言われます。死後2ヶ月経ったかなり腐乱し、変わり果てた兄がそこにいました。


 全く面影は感じなかったが、虚血性心疾患、心筋梗塞が原因と直ぐに判断出来ました。ただ茫然と立ちすくんでいる私に、鑑識管が「お線香を上げて下さい」と静かに私を促しました。

「正月で火葬場が休みの為、署内の冷蔵室も早く開けなければならない、遺体検案は明後日の午前九時にG大病院で行う、検案後警察で無縁仏で処理するか、其方で受け取るか決めてくれ」

と、若き刑事さんから何とも事務的で冷酷な言葉を受けました。感情移入は禁物、あくまで事務的にと仕込まれてきたのでしょう。

 心筋梗塞で死後2ヶ月経過していたので、遺体は酷いものでした。早くお墓に入れてあげたかったので、一番早く安く出来る方法しか選択出来ませんでした。保証人協会の保険で家の特別清掃して戴けましたが、少なからずご迷惑料として大家さんのポケットに20万円の封筒を捩じ込みました。死臭が酷く、一切運び出すことなく凡て処分して戴きました。

 親戚家族友人一切無く、私1人の見送りでした。私も終活をまざまざと考えざるを得ないインパクトの強すぎたラストメッセージでした。
人の一生は各々だけが持つ世界で一つだけの事実のドラマです。

 いっかはきっと、誰かが、其の方の生きた痕跡をどんな形であれ、地球が存在する限り、見つけて上げられると信じ、私もラストメッセージを後世に残したいと考えております。

 誰にも決して迷惑の掛らぬようにしたいけど

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