アパート経営のポイント
毎月のように「アパート経営」について、アプローチにアドバイスを求める電話が入ります。相続税対策のためにアパートを建築される方の多くは、税理士さんやお付き合いのある建築会社さんに相談される方もおられます。また金融機関を通じて紹介を受ける方も多いです。
アパート経営をされて成功する人はポイントがあると考えます。10年ほど前から不動産業界で言われてきた事がありました。まず駅から徒歩圏内であること。入居率が80%であっても維持ができること。家賃が下がっても収支に影響が無いこと。などをクリアーできれば賃貸経営も不安が少なくなります。
もう一点、前もって考えておかなければならないのが、アパートが老朽化して建物を解体するときの費用まで計算しておくと安心です。ずっと先の予想もできないことをなぜ今から? と考える方は多いでしょう。
しかし、相続するにしても相続を受けた人が相続税を払えないで困っている人がおられます。建物を相続しても処分するときに老朽化したものは解体しなければならないときもあります。
いろいろな方を見ていて、相続して一番喜ばれるのは現金でしょうか? アパート経営はリスクがあり、専門的な知識が必要なことも多いです。これからは管理会社に任せるのは良いですが、ご自身で勉強することも重要です。任せっきりで気づいたときは自分の考えどおりに行かないケースもあるからです。
日頃から親身になって何でも相談できる地域の不動産会社とお付き合いすることをおすすめします。大手管理会社の良いところ、他の管理会社のアドバイス、どちらにも耳を貸して肝心なところは自分で判断しましょう。
アパート建築では、もともと土地を所有されている方は、建築費だけの借り入れで済みますが、土地建物をまるごと購入してのアパート経営は特に注意すべき点があります。売り物件の資料を見ますと、表面利回りではきちんと利益が出そうな物件が多いです。しかし、経費は他にもいろいろと掛かりますので逆に赤字になるケースがあるからです。
アパート経営を実践された家主様からよくお聞きするのは「退去後のリフォーム代が予想以上に高い」「所得税も高い」などです。賃貸物件を借りる方は、短期間で住み替える方が多いです。とくに単身者物件は1年で引っ越しされる方もあり、4年居住される方は5割おられるでしょうか? 設備の整った家賃が高めの1LDK物件は特に退去が早いと感じています。
賃貸物件は設備が充実しています。エアコン・照明器具・TVインターホン・ガスコンロは付いていなければお客様が見向きされなくなってきました。システムキッチン・追い焚き浴槽・シャンプードレッサーなど、いたれりつくせりの賃貸物件が増えてきました。
しかし設備の保証期間はとても短いです。これらが古くなって使えなくなると家主様負担で設備交換することになります。10年経過すると、相当な額の設備交換代、退去時の内装工事代などが掛かり、利回り計算に入っていない経費が多いです。
アプローチは不動産会社なのに、アパート経営に慎重なアドバイスをしています。アパート経営に成功した家主様を多く見てきましたが、逆に失敗して大変なご苦労をされている方のお話も聞いてきたからでしょう。そして少子化時代に追い打ちをかけるコロナによる経済的な打撃により、若い方の生活も大変になり自立生活が厳しくなってきています。
今後の空室率の増加と賃料値下げも心配です。20年、30年ローンを組まれる方が多いですが、5年後の経済に不安を感じている昨今です。目先の利益より慎重な長期計画にそったアパート経営をしましょう。
貯金をしても利息がつかない。株に投資しても利益が出ない。将来の年金受給も心配。何か儲かる仕組みを作っておきたいのは誰もが考える所です。何もしないのが節税だと言われた方もおられました。身の丈にあった決して無理をしない資金計画が重要ポイントです。場所・日当たり・構造・間取りなどを確認し、「家主様自身が住んでみたいお部屋」であれば、お客様もきっと気に入られます。古くなったアパートをリノベーションして募集するケースも増えています。間取りを変更し、設備を追加し内装すると長期間空室だったお部屋が契約に至ります。空室期間の賃料と修理代金を比較しましょう。修理しなければ入居はほぼ無いです。