[2907] おかやま的ココロ! 2014/12/02 

 12月に入り寒い日が続いていますが皆様いかがお過ごしでしょうか。あっという間に年の瀬ですね。今年は我が家に双子が産まれるという大きな話題もあり、なかなか刺激的な一年でした。

 さて、今回のテーマですが、随分と前にここで書いたのを覚えている人がいるかどうかわかりませんが、以前、相対性理論について興味を持ったので色々と調べて書いたことがありました。今回は、そんな相対性理論を身近に感じることができる記事を見つけたのでご紹介したいと思います。私たちの身近で使われている相対性理論の例を4つご紹介します。

1、GPS
 GPSを利用したカーナビは人工衛星を介して正確な現在位置を把握することができるが、ここで相対論的効果が考慮されている。これは人工衛星が光速とまでは行かないまでも、非常に高速で移動しているからだ。

 人工衛星は地上20,300kmの高度を時速10,000kmで飛んでおり、毎日4マイクロ秒(1マイクロ秒=100万分の1秒)の時間の遅れが発生している。さらに重力の影響も加味すると7マイクロ秒の遅れとなる。極わずかな誤差に思えるかもしれないが、これを無視した場合、1日が過ぎればカーナビは0.8km先のガソリンスタンドを8km先にあると表示するようになるだろう。

2、旧式テレビ
 比較的最近まで大抵のテレビがブラウン管を利用したものだった。ブラウン管は、蛍光面の電子を大きな磁石で発火させることで機能する。それぞれの電子が画面の後ろに当たると、輝く画素を作り出す。映像を生み出すために発火した電子は、光速の最大30パーセントの速度で移動する。その場合の相対論的効果は無視できないものであり、発火用磁石の製造にあたっては、相対論的効果を考慮しながら行う必要があった。

3、金の黄色
 大抵の金属が輝いているのは、原子の中の電子が別のエネルギーレベル、すなわち”軌道”から跳ねているからだ。より長い波長においては、金属にぶつかった一部の光子が吸収され、再放射される。しかし、ほとんどの可視光は単に反射されるだけだ。

 金は重原子であるため、内部電子は相対論的質量の増加や長さの収縮が意味をなすほどに速く移動している。その結果、電子はより短い経路にある原子核の周囲をより大きな運動量でスピンする。内部軌道にある電子は、外殻電子のものと近いエネルギーを有しており、吸収反射される波長はより長くなる。

 光の波長が長い場合、通常なら反射される可視光まで吸収されることになる。また、このときの光のスペクトルは最も青いものだ。白い光は、虹色の全てが混じったものだが、金の場合、光が吸収され、再放出されるときの波長は通常より長い。このことは、目に見える混ざり合った光波の中でも青色とスミレ色は見えにくいことを意味する。そして黄色、オレンジ、赤の光は青よりも長い波長を持つため金が黄色っぽく見えるのだ。

4、水銀が液体である理由
 金と同様に、水銀も重元素である。 そのため、電子はその速度とその帰結としての質量の増加のために、原子核の近くに留まっている。しかし、水銀の場合、原子の結合が弱い。これが原因で水銀は低い温度でも溶け、液体として存在する。

 いかがでしょうか。相対性理論の応用というよりは、身近にあるものを説明するには相対性理論を無視できない、といったところでしょうか。今では当たり前になりつつあるGPS機能も、この理論に基づいて計算されているんですね。考慮しなかった場合、リアルタイムでの位置情報に正確さがなくなるということのようです。

 相対性理論とは違いますが、相対的な意味では我が家の双子も今後、色々と不思議なことが起こるかもしれませんね。一卵性なのでもともと同じDNAなわけで、きっと普通の単体児よりもお互いの存在を相対的に感じながら成長していくことでしょう。
それでは皆様、よいお年をお迎えください。

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