[2913] HOME'Z[不動産投資」より! 2014/12/12 

 不動産投資における大きな臨時支出、修繕費用 について、参考になる情報がありましたので掲載します。

 不動産投資における臨時支出の主なものは建物を維持していく上での修繕費用です。不動産投資は基本的に建物の全部または一部を賃貸することにより家賃収入を得ることが目的となっていますので、安心して使用する事のできる良質な建物を提供することが、安定した収益を確保するためのポイントとなります。

 別の言い方をすれば投資家(貸主)は入居者(借主)から賃料をいただく代わりに、入居者が安心して使用できるような状態に保つ義務があるのです。
 建物は年数とともに老朽化してきますので定期的なメンテナンス(修繕)が必要となります。1棟の投資用不動産を購入した場合は以下のような修繕費用が発生します。


【修繕の部位 修繕時期の目安 】
 屋根、屋上の防水加工 10年前後
 外壁補修、塗替え 10年前後
 鉄部防錆加工 3〜5年前後
 機械設備等 15年〜20年前後
 給排水管の補修、交換 15年〜20年前後

*上記は一般的な目安であり個別事情により 異なります。

 このように建物は建築してから10年経過したあたりから修繕が必要となってきます。したがって当初10年程度は修繕コストなどの臨時支出はあまり発生しませんが、将来の修繕を見据えて賃料収入の一部を積み立てておくことが望ましいでしょう。

 また、中古建物に投資する場合は、購入後短期的にどれくらいの修繕コストが発生するかを購入前にあらかじめ専門家に試算してもらい、修繕コストも見込んだうえで投資計画をたてるのが望ましいでしょう。交渉によっては修繕に要するコスト相当額を売買代金から差し引いてもらうことも可能となる場合があります。

【賃貸部分(専有部分)の修繕費用】
 1棟の賃貸用建物に投資をした場合、前述のような建物全体を維持する為の修繕費用に加えて、実際、借主が使用している賃貸部分(専有部分)の修繕も必要となります。
 借主との契約期間の満了や中途解約などにより、借主が入れ替わる場合の修繕費用は借主と特別な約束がないかぎりは、通常、貸主が負担することとなります。

 特に居住用の建物を賃貸している場合は、入居者が入れ替わるたびに室内のクリーニングや畳の表替え(最近は和室が少なくなってきているが)場合によってはクロスの張替えやカーペットの張替えが行われますが、これは借主の故意や過失によるものでない通常の生活において損耗するものであるかぎり、貸主の負担となります。

● 参考(東京都 賃貸住宅トラブル防止ガイドラインより一部抜粋)
・ 退居時には原状回復が必要となります。借 主に義務として課されている「原状回復」 とは、退去の際に、借主の故意・過失や通 常の使用方法に反する使用など、借主の責 任によって生じた住宅の損耗やキズ等を復 旧することです。その復旧費用は、借主が 負担するのが原則です。

・ 経年劣化及び通常の使用による損耗・キズ 等の復旧については、貸主が行うのが原則 です。その復旧費用は貸主の負担です。

・ 貸主と借主との合意により、上記の原則と 異なる特約を定めることができます。ただ し、通常の原状回復義務を超えた負担を借 主に課す特約は、すべて認められる訳では なく、内容によっては無効とされることが あります。

 かつては賃借人から入居時に預かった敷金を原状回復費用と称して入居者入替え時の修繕費用に充当している貸主が多かったようですが、原状回復の定義と費用負担をめぐり賃借人とのトラブルが頻発したため、平成10年に国土交通省が主導となり改めて原状回復費用負担についてのありかたを示したガイドラインを作成しました。

 また東京都では平成16年に「賃貸住宅紛争防止条例」を施行し、これにより借主が通常使用する上での損耗は家賃に含まれているとされ、特別の約束がない限りは貸主が負担することがより明確になりました。このように明確なガイドラインが示された事から、特に賃貸住宅に投資した場合には入居者が入れ替わる度に必ず修繕費用負担が発生すると考えなくてはいけません。

 特約によって退居時の原状回復費用を借主に余分に負担させる事も実務的には可能となりますが、賃貸住宅の競争が激しい現在においては決して得策とはいえないでしょう。

 また、室内に設置してある冷暖房設備やキッチン、給湯器具などは一般的に10年から15年で寿命をむかえ、交換する必要がでてきます。このような設備の交換に要する費用も当然、貸主である投資家の負担となります。


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