[2925] おかやま的ココロ! 2015/02/02 

 新年を迎えてからあっという間に1ヶ月が経過しました。そろそろ花粉も飛び始める時期です。今年の花粉は昨年の2倍の飛散量だということなので、本格的なシーズンが始まる前に対策を立てたいところです。

 さて、話は突然変わりますが、皆さんは物忘れをよくする方でしょうか。昨日の夜に食べたものが思い出せない、家の鍵をどこにやったかわからない、さっきまで使っていたのにスマホが見当たらないなど、小さな物忘れは誰にでもありそうです。

 今回のテーマは、そんな物忘れをした時に使える、ちょっとしたテクニックについてです。そのテクニックとはズバリ、「目を閉じる」ことなんです。

 英サリー大学の心理学者はこの理論を検証するために、約200人の男女にいくつか短編映画を観てもらい、その内容について質問をしてみました。最初の映画はサイレント映画で、ある家で仕事をする電気技師が盗みを働く姿が描かれています。上映の後、質問に回答してもらう際、半数の被験者には目を閉じて答えてもらいました。

 すると目を開けて回答したグループでは平均48パーセントの正答率でしたが、目を閉じたグループでは71パーセントとかなりの差が出る結果となりました。また質問者に親近感を抱かせた場合はさらにスコアが上昇したのです。

 2本目の映画は、BBCの『クライムウォッチ』シリーズからで、映像のほか音声も流されました。そして、これに関しても目を閉じたグループは、映像および音声に関する質問ともに正答率を高めることができました。

 これまでの研究では、心の中で忘れたものの詳細なイメージを作り上げることが記憶力の改善につながるといわれてきました。そのイメージを思い描く際、視覚情報を遮断することで、その効果を上げるようです。

 研究者のロバート・ナッシュ博士によると既にこの効果は実証されており、例えば警察は目撃者に質問する際、目を閉じてもらうことで成果が向上することに気付いていた、といいます。今回の研究結果が示唆するところでは、聞き込みの際、警察は目撃者と親密な関係を築いた上で目を閉じてもらえば、さらに情報収拾が容易になるだろうとのこと。

 この「目を閉じる」という、ごく簡単な技は、暗証番号や買い物リストを思い出す場面など、日常生活の中でも役に立つはずです。また、数年前の出来事を思い出すなど、直近の出来事でなくても、この技は有効だといいます。

 もしこれを読んでいる皆さんが今、何か思い出せないものがあるなら目を閉じてみてください。些細な技ですが、皆さんの生活に役立てば幸いです。それではまた。

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