[2926] 50歳までに考える事! 2015/2/03 

 6年前からアパートを借りて頂いている60歳代の男性が来られました。2LDKのアパートに一人暮らしです。仕事を辞めて年金収入だけの生活になったので、家賃が安い部屋に住み替えを希望されています。条件は家賃と駐車場代を含めて45000円までです。

 「65歳を過ぎて年金暮らしになったら、もう車は手放した方がいいですよ」と話しました。車のガソリン代・維持費・税金など、結構大きな負担となります。これから益々物価があがりそうですし、税金なども上がるので年金の手取り額が減ってしまいます。

「買い物や病院が便利な場所でアパートを借りて、必要な時はタクシーを呼んだ方が経費の節約になりますよ。」と説明しました。当初は穏やかに説明に聞き入っていたのですが段々と「車を使うのは人の考え方による」と自分の意見を言ってきました。

 余裕があれば賃貸の生活も良いのでしょうが、65歳を過ぎた男性の一人暮らしは急病や事故の心配がありますので、家主様や管理会社の許可が取れないケースが多いです。しかし、当社がご紹介する物件は気に入られない様子です。かと言って他のたくさんの物件は入居の了解を貰えないのです。

 希望の物件を紹介して貰えないので、お客様は帰られました。でも、希望されるような安い物件はありませんし、高い物件でも許可が貰えるのはほとんどありません。事情を説明すると怒ってしまいました。考えてみると一人暮らしを始めた時から、このような事態を迎えるのは解っていたはずです。でも考えたくなかったのですね。

 一般的に、子供がいても同居するのが難しい時代になりました。子供が一戸建てを買っても親が暮らせる部屋が無いのです。成長する孫たちが中心の生活です。親は自分で住まいを考えなければなりません。

 また、老後の生活は避暑地のような所を希望し、実際に移り住んだ人からご相談を受けました。「買い物や病院が不便なので、やはり昔住んでいた家の近くに戻りたい。」との事です。家を買い替えするには、今の自宅がすぐに売れない場所にあります。売れなければ次が買えません。自宅をそのままにして賃貸物件を借りるとしても、年齢が80歳前後だと夫婦そろっていてもなかなか貸して貰えません。ましてペットがいたら尚更です。

 いろいろな事を考えると、遅くても50歳になる前に、40歳代のうちに自分の住まいを確保しておくことが大事だと思います。いつか実家に戻るケースもあると思います。家が古くなったら建て替えも考えなければなりません。若い方の給与収入も、今後は厳しい見方をしておかなければなりません。若干のアップはあっても、税金や消費税のUPで給与の手取り額が減るでしょう。

 購入する時に考える注意点があります。 一生のうちの最大の買い物というと、やはり「家」です。最近は「賃貸派」の人も増えています。しかし買えるのであれば若いうちに買ったほうが良いと思います。賃貸で暮らしていると、その家賃はただ払っているだけですが、同額を住宅ローンに支払えば自分のものになります。また、若いうちの方が住宅ローンを借りやすいです。年齢が上がると組めるローンの年数も限られてきます。無理な借金はするべきではありません。

 その人なりの人生設計があると思いますので、一概には言えませんが、一番大事なことは「家を買ってどんな生活をしたいのか?」という家を買ったあとの人生設計です。よくある購入と賃貸はどっちが得かという話は、どのようにもシミュレーションできるので、まずは「なぜ家を買いたいのか」という気持ちを大切にしてほしいと思います。

 買わないリスクがあるのなら、買うリスクも当然あります。例えば、結婚して子供が生まれて、という先々の家族構成を考えると、若いうちに購入した家が果たしてそれに対応できるのかとか。事情が出来てその家に住まなくなったケースの処理などです。 

 買うときは夢が膨らみ、メリットを想像しやすいと思いますので、人生設計の変化によるデメリットも冷静に考えてみましょう。例えば、若いと長期のローンが組みやすいということはありますが、若いと収入が少ないので「住宅ローンは年収の25%以下」に抑えることができるのかが大切です。

 家を買ったから頑張って働けている! という人もいらっしゃいます。成り行き任せの人生設計より、計画を立てたお金の使い方で生活が全く変わってきます。そして両親の生活や介護などが発生した時も助け合える距離を検討するといいと思います。

 以上、年を取ってからの生活の様子と、早めの生活設計を立てて行くための注意点を書いてみました。日々のコツコツとしたお金の管理がいかに重要か、もう一度見直してみませんか?

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